当社がしていること
考え方——インフラ・トリアージ
二つを突き合わせる
管理者が決めるとき、二つの側を見ることになります。制度が何を求めているか。手段が何を返せるか。制度は手段を特定せず、手段にはそれぞれ、返せるものと返せないものがあります。
この二つを突き合わせ、その判断にはどの手段が適しているのかを示す。適した手段がない区域には、何を代わりに充てるかまでを示す。これが当社の仕事です。インフラ・トリアージと呼んでいます。
図は横にスクロールできます。
三つの段を踏みます
| 段 | 何をするか | 難しいところ |
|---|---|---|
| 第一段 | 管理者が何を決めるのかを押さえ、制度がそこに何を求めているかを読む | 制度は手段を特定しません。要求を、算定にかけられる条件に置き換える必要があります |
| 第二段 | 手段が何を返せるかを調べる | 技術の資料は、条件を技術の側から書いています。これを区域の側から引ける形に直します |
| 第三段 | 人員と予算の制約を受け取り、区域ごとに割り付ける。成立しない区域には、代わりの手段を対応させる | 割り付けの判断は分野ごとに違います。どこまで読み替えられるかを、あらかじめ持っておく必要があります |
割り付けの結果は、三つに分かれます。先に見る箇所、手段を置く箇所、今年は見に行かない箇所です。
行かないと決めた箇所について、なぜ行かないのかを書き残せること。それができて、はじめてトリアージです。行き先を減らすためではありません。無駄足を減らし、必要な先へ早く回るためです。
手段を持たないから、選べる
当社は、観測の手段を保有していません。衛星も、計測器も、持っていません。手段から発想しないので、第一段から始められます。選んだ手段が衛星でない場合には、そう申し上げます。
持っているのは、計算とデータセットです。区域ごとの判定は、地形と軌道の幾何から算定します。
横断することに、意味があります
制度を読み、手段を調べ、突き合わせる。この手順は、どの分野でも同じです。しかし、中身は違います。
同じ言葉が別の意味で使われ、同じ記号が別の体系に属します。その違いは、並べてはじめて見えます。
ある分野で成立している考え方や手段を、別の分野にも持ち込めるか。持ち込めないなら、なぜか。分野が増えるほど、比べられることが増えます。
支えているもの
四つを蓄えてきました
段ごとに、効くものが違います。
| 蓄積 | 内容 | 効く段 |
|---|---|---|
| 制度の運用 | 条文の規定に加え、用語がどう運用され、判断が何を重く見ているか | 第一段 |
| 現場の実務 | 制度が定めていない範囲で、どのような判断が求められ、何が支障となっているか | 第一段 |
| 手段の適用範囲と代替 | 成立する条件と、成立しなくなる境界。成立しない場合に、何をどの順で充てるか | 第二段 |
| 分野を横断した比較 | 同一の用語や記号が分野ごとにどう異なるか。ある分野の考え方や手段を、別の分野にも持ち込めるか | 第三段 |
引き出せる形にしています
集めるだけでは、案件ごとに一から読み直すことになります。対象と条件が定まれば、どの規定が効き、どの手段が候補になり、成立しない場合に何を充てられるかが、そのまま取り出せる。そこまで整えることが、当社の開発です。
すでに行われていること
公表資料で確認できたものを、いくつか挙げます。これで尽きるものではありません。
| 事例 | 内容 |
|---|---|
| 観測できるかを事前に評価する手法 | 公表されている |
| 都道府県での利用 | 道路の維持管理に干渉SARを用いた業務がある |
| 全国の変動分布図 | 国土地理院が公開。だいち2号の八年分。分解能は90メートル。任意の地点の時系列グラフを無償で閲覧できる |
| 職員が自ら判読するための手引き | 国土地理院が二〇一一年から公開 |
いずれも、技術の側から条件を示すものです。ある区域について、どの手段が成立するかを知るには、その区域の地形と重ね合わせる一段が要ります。四頁で述べます。
対象としているもの
道路に接するのり面と斜面から始めています。制度が最も細かく定められている分野だからです。
同じ考え方は、鉄道の土工、廃棄物の処分場、港湾施設、ダムの貯水池周辺斜面、治山の対象地にも及びます。制度の調査を進めています。
平時に、限りません。備えの期間、警戒、発災のあと、復旧から復興まで。段階ごとに決めることは違いますが、三つの段は変わりません。
三頁から五頁で、道路ののり面と斜面に当てはめた例を示します。