適用の例(三)区域ごとに割り付ける
第三段です。
区域に区切る
対象とする道路を500メートルごとに区切り、その区間に接するのり面と斜面を、ひとつの区域とします。
| 判定 | 示す内容 |
|---|---|
| 可 | 変位の時系列と、その変動の区分 |
| 条件付き可 | ほかの帯域を要する。理由と、次に置く手段の群 |
| 不可 | 帯域を替えても得られない。理由と、次に置く手段の群 |
割り付けは、変位だけでは決まりません
同じ「動いている」でも、次にすることは同じではありません。
代替路のある区間と、ない区間。緊急輸送道路に指定されている区間と、そうでない区間。事前通行規制の対象か、対象外か。
| 区間 | 変位が認められる | 変位が認められない |
|---|---|---|
| 代替路がない | 先に見る | 観測が成立していることを確かめたうえで、記録する |
| 代替路がある | 順序を検討する | 記録する |
右の列は、その区域で観測が成立していることが前提です。成立していない区域の「変位なし」は、変位がないことを意味しません。
この二軸だけでも、四通りに分かれます。実際には、被災の履歴、構造物の重要度、その年の予算と人員が加わります。
重みをつけるのは、管理者です
三頁で述べたとおり、要領は考慮すべき要素を挙げ、何をもって優先とするかの判断は管理者に委ねています。
当社が示すのは、重みをかける前の材料です。区域ごとに、観測が成立するかどうか。成立する区域では、どれだけ動いてきたか。成立しない区域では、その理由と、次に置ける手段。
どの要素をどれだけ重く見るかは、管理者が決めます。
分野によって、割り付け方が変わります
三つを例に挙げます。
| 差異 | 具体例 |
|---|---|
| 同じ衛星SARに、五つの系統が別の要求を置いている | 道路の点検(国土交通省道路局)、測量(国土地理院)、地盤沈下(環境省)、治山(林野庁)、災害復旧(国土交通省水管理・国土保全局)。求められる精度も、成立するかどうかを誰が判断するかも異なります |
| 同じ記号が、別の体系に属する | 鉄道の健全度A、道路の判定区分Ⅱ、港湾の劣化度c、治山の危険度A、衛星SARの変動区分A。文字は同じでも、定義も閾値も別です |
| 対策が済んだ箇所の扱いが違う | 道路は既設対策工の効果を四段階で評価します。治山は事業が概成すれば危険度を下げますが、施設の健全度が低ければ下げません。鉄道は点数に加算します |
ある分野の割り付け方を、別の分野にそのまま持ち込むことはできません。どこまで読み替えられるかを、あらかじめ持っておく必要があります。
お渡しするもの
算定が済めば、二つをお渡しします。区域ごとの一覧表と、それを色分けした地図。
想定しているのは、次のような場面です。
| 場面 | 用途 |
|---|---|
| 次年度の点検計画を立てるとき | どの区域を先にするかの根拠として |
| 経過観察を終えるか判断するとき | その材料として。三頁の二つの終了の要件は、いずれも記録の保管が条件です |
| 庁内や関係の方に説明するとき | なぜこの箇所を先にしたのか、なぜあの箇所は今年でなくてよいのかの根拠として |
「行かなかった」を、書き分けられます
| 理由 | 読み方 |
|---|---|
| 動きが認められなかった | 確かめられた箇所 |
| 衛星では見えない区域だった | 別の手段を置くべき箇所 |
| 見えないうえに、今年は人手が回らない | 来年の優先 |
同じ「行かなかった」でも、意味が違います。