株式会社Y’zコーポレーション

限られた体制で、どこを選ぶか

これまでと、これから

インフラの維持管理は、現地で確かめることを積み重ねて成り立ってきました。近年は、ドローンや各種の計測器も加わっています。その積み重ねが、いまの安全を支えています。

その一方で、確かめる側の体制をどう保つかは、これからの課題です。

斜面に関わる規模(例)

指定や管理の主体は、それぞれ異なります。鉄道、港湾、ダム、処分場にも、それぞれ相応の規模があります。いずれも時点により変動する値です。この規模を、限られた体制で扱うことになります。

生産年齢人口の減少は続き、土木部門の職員数も、市町村を中心に減少が続いているとされています。

優先順位は、制度が求めている

制度にも明記されています

ここでは二つを挙げます。同趣旨の記述は、分野ごとの計画や指針にもあります。

典拠 記載内容
国土強靱化地域計画策定ガイドライン 一年間で取り組める内容には限りがある。その制約の中で最大限の効果を上げる
道路土工構造物点検要領 単に延長を分割して順次点検するのではなく、優先度を設定して計画する

資源の制約のもとで優先順位をつけることは、現場の工夫にとどまりません。制度が求めていることです。

難しいのは、決めた理由の説明

その工夫は、すでに現場で重ねられています。難しいのは、決めることより、決めた理由を説明できるようにしておくことです。

なぜこの箇所を先にしたのか。なぜあの箇所は今年でなくてよいのか。そうした説明が求められる場面も、今後はありえます。

委ねられているのは、どの分野も同じ

五つを挙げます。ほかの分野でも、同じことが起きています。

分野 制度が定めていること 現場に委ねられていること
道路の土工構造物・自然斜面 都道府県管理の道路に国の要領は及ばない。優先度の設定は求められている 何をもって優先とするか。どの手段で観察するか
鉄道の土工 技術基準は性能規定。健全度B相当は「必要に応じた監視等の措置」 どの手段で監視するか
港湾施設 点検診断は原則五年以内。劣化度に「性能が低下している可能性がある状態」の段階 その段階で何をするか
ダムの貯水池周辺斜面 衛星による変動領域の抽出のマニュアルを公表。最小検出変位量は「不明」と記載 何がどこまで見えるかの見極め
治山(山地災害危険地区) 地形測量の手法として衛星SARを明示。経過観察へのリモートセンシングの活用を推奨 どの場面でどの手法を使うか
五つの分野に共通する、定めと委ねの分かれ方 道路、鉄道、港湾、ダム、治山の五分野について、制度が定めている部分を実線の枠で、現場に委ねられている部分を破線の枠で、横に並べて示す。分野ごとに中身は異なるが、定めと委ねに分かれるという形は五分野に共通する。 制度が定めていること 現場に委ねられていること 道路 鉄道 港湾 ダム 治山 優先度の設定を求める 性能規定。健全度Bは「必要に応じた監視等」 点検診断は原則五年以内 変動領域の抽出のマニュアル 衛星SARを手法として明示 何をもって優先とするか どの手段で監視するか その段階で何をするか 何がどこまで見えるかの見極め どの場面でどの手法を使うか 中身は分野ごとに異なる。定めと委ねに分かれるという形は、五分野に共通する。

図は横にスクロールできます。

図五制度が定める部分と、現場に委ねられる部分。五分野に共通する形です。各分野の詳細は、上の表のとおりです。分野はこれで尽きるものではありません。

制度が手段を特定しないのは、対象ごとに条件が違うからです。委ねられた側には、選ぶ余地と、選んだ理由を説明する場面が生まれます。

目指していること

行かない判断の、根拠を残す

箇所 記録の残り方
見に行った箇所 点検の記録として、詳しく残されてきた
行かないと判断した箇所 その判断の根拠をどう残すかは、これからの課題

どこに行くかを決めるとは、行かない箇所を選ぶことでもあります。

当社が目指すのは、どこに行き、どこに行かないかという判断を、後から確かめられる形で残せるよう、支えることです。分野を問いません。

結果を、ご自身で読めるように

記録が残れば、翌年に検証できます。何年か積み重なれば、どの判断が正しかったかが分かります。判断の質は、その積み重ねでしか上がりません。

ただし、その積み重ねが外部の事業者の側にだけ溜まるのでは、意味がありません。とくに、地面の動きを測る技術は、いま速く動いています。衛星も、機器も、解析の手法も更新されます。新しくなったという情報と、この現場で使えるという情報は、別のものです。

現場に即した性能と制約、そして結果の解釈のしかたを、管理者ご自身が理解しておく。当社は、そのための説明をあわせてお渡しします。

当社について

決めるのは、管理者です。当社がするのは、その判断に必要な材料を、そのまま持ち込める形で出すことです。

次の頁で、その考え方と、それを支えるものを述べます。三頁からは、道路ののり面と斜面に当てはめた例を示します。